ペス・デ・トゥンバ(墓の魚) Profile

作曲家・黒実 音子(クロネコ)

contrapuntist・kuromi neko



楽団ペス・デ・トゥンバの公式サイトは、

「墓の魚」でご検索ください。



14歳の時にキリスト教の神学、ヨーロッパ哲学メメント・モリ(墓の哲学)にとりつ

かれて以来、以後二十年間、それらをテーマに作曲、作画、作劇活動を続けている

作家。



一見、魔女や墓場をテーマにした墓場派の幻想作家のような世界を描くが、その魔

女は社会主義者の比喩であったり、墓場に住む者は政治的追放者の意味を持ってい

たりなど、表現している事は、現実へのシニカルな皮肉、社会風刺である事が多い

のが特徴。



16歳の時に教会旋法、対位法などの作曲技法を学ぶ為、カトリック教会が主催して

いた対位法・作曲教室に通う。

また、同じ頃、十六世紀の弦楽器リュートを日本古典楽器センターで濱田三彦氏に

師事。



中世イタリアの道化芝居コンメディア・デッラルテや、ティルソ・デ・モリナなど

のスペイン劇、レオポルド・アラス(クラリン)の皮肉と風刺の効いたスペイン文学

などに多大な影響を受け、古典的な文体と、哲学、ユーモアを交えた独特な作品を

現代で作曲する。



幼い頃からキリスト教の宗教的雰囲気の中に身を置き、フランスやスペインの古典

文学に浸る。それゆえの独特な曲風は、古典派の厳格さと、フランス的なメランコ

リーな旋律、スペイン的な情熱と諧謔を併せ持ち、さらにジャズや、タンゴの技法

を取り入れながらも、あくまで古めかしさを芯にした作風は、「古楽」「クラシッ

ク」「アルゼンチンタンゴ」「フラメンコ」「ミュージカル」など、様々な異なる

音楽人達からまさに「独特」と評される。



キリスト教の立場から見た異教幻想に非常に深い興味を持ち、墓場やヴァニタス的

な幻想を作中に多く展開する事が多いが、最後には必ず人間の信仰による美しい魂

の浄化を表現するのが特徴。



また、日本で唯一のファド作曲家でもある他、

現代で、未だに古めかしい宗教と風刺の古典風の劇「コメディア・デ・サントス」風の

作品を作っている唯一の劇作家でもある。



ロマン派に対する高踏派のように、芸術が知的である事、形式美を重んじる事、芸術

的である事、昔(クラシック)ながらの技巧的である事を、現代の芸術に復活させよう

とする彼の創作信念は、プレシオジテ的であるともいえる。



経済的貧困が原因で、高校や音大には行けなかったが、趣味が「勉強」という性分だっ

た為、独学で音楽理論、和声学、作曲技法の他、絵画史、生物学(棘皮類)、植物学、細

菌学、トキシコロジー、スペイン、フランス文学史、民俗学などを学ぶ。



珍魚グルメでもある。