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2020年4月6日
クロちゃんとのふれあい日記♫ 9(41~45)

♫クロちゃんとのふれあい日記・ARCHIVE.9 (41~45)

2020.4.6 [Other]ページよりBLOGに移行
最新日記は[Other]ページにて、気まぐれに更新中♫

☆自宅にやってくる、さくらねこのクロちゃん(女の子)との
 ふれあい日記を、気まぐれに時々綴ります♪
 クロちゃんとの会話は、基本的に
 私たちのふだんどおりの福岡の方言で綴っています。
 今回、根底にあるテーマは『命』。
 二類感染症である結核に感染・発症・長期入院治療した
 経験を綴っています。(現在は回復しています)
 MISIAの新曲『好いとっと』に偶然出会えたエピソードも♪

41. ふれあえる幸せ (2020.3.5)

3月。
私は春生まれで、春の季節が好き。
3月になると、毎年、理由もなくうれしくなる。

2020年。
これほど不安定な状況で迎える3月は、
物心ついて以来、初めてかもしれない。

2005年。今から15年前。
福岡西方沖地震が起きた3/20。
当時、自宅にいて、経験したことのない強い地震に遭った。
その後も、長期間、余震が続いた。
幸い、大きなケガはなく無事だった。

3/20は春分の日。福岡では、桜が開花する頃。
きれいな桜に、心を救われたことを思い出す。

不安定なときこそ、変わらずにいてくれる存在に救われる。

数年前。母が他界して約8カ月後。
経験したことのない体調不良が続き、顔つきが変わってしまうほど体重が減っていった。
内科クリニック→総合病院を受診し、結核と診断された。
総合病院の医師と保健センターの指示により、約3ヵ月入院治療を受けた。
幸い、現在は治療終了して回復し、日常生活を無事に送れている。

結核発症は喫煙との関係を指摘されることがある。
私は、高校時代、部活の試合会場外の喫煙所近くにいて、
副流煙による受動喫煙で、急な体調不良になったことがあるくらい、
煙草は苦手だ。
当時は現在と比べると喫煙率が高く、喫煙所は混雑していた。
今までの人生で(そしてこれからも)一度も喫煙したことはない。
高校時代の経験から、受動喫煙リスク回避のため、
喫煙可・分煙の場所には行かないようにしている。

感染経路について、自分の行動歴を振り返ると、
母が最期を迎えた病院での院内感染だった可能性がないとはいえない。
目に見えない感染症のこわさ。
発症した時の身体のきつさと息苦しさと、初めて命の危険を感じた恐怖。
入院して間もなく、薬の効果で症状は落ち着いた。
息苦しさがなくなり、身体が楽になった。
けれど、感染症のため、検査結果でOKが出るまで長期入院生活が続いた。
退院直前まで、結核治療の病棟から出ることはできなかった。

結核を経験し、たくさんの優しさに出会えた。
入院前後にお世話になった、親切な保健センターの方々。
指定の入院先で出会えた、明るくて優しい先生と看護師の方々。
仲良くなって、いろいろな話をした看護師さんもいらっしゃった。
治療のため開発された薬。幸い、副作用はほとんど出なかった。
「栄養しっかりとって元気になってね」と、
毎食おいしくいただいていた栄養バランス満点の食事。
時々部屋を訪ねて来られて、笑顔で話してくださった栄養士の方。

部屋の近くの窓から見える、きれいな朝焼け。
入院生活に慣れた頃から退院する日まで、
早起きして、ひとりで、夜明けの空の変化を見つめていた。

入院生活3ヵ月目の体調安定期。
2016年11月の満月は、2016年最大のSupermoon。
部屋の近くの窓から見えた
澄みきった夜空とSupermoonと星と福岡タワーのコラボレーション。
あの場所だからこそ、出会えた光景があった。

毎週休みの日に、会いにきてくれたパートナーである友人。
頼んでいた必要なものを、持ってきてくれた。
パートナーである友人は、結核治療の病棟に来ることに、
ためらうこともなかった。 嬉しかった。
感染防止のため、面会に来られた方は指定のマスクをつけて、短時間の面会だった。
面会日ではなくても、いつものように毎日携帯電話で話をした。
夕食後、部屋の近くの窓から、
福岡タワーと、微かに見えるタワーイルミネーションを眺めながら。

パートナー以外のごく親しい数人の友人にだけ、
タイミングを見計らって、結核で入院していることをメールで伝えた。
「お見舞いに行きたい」と返信をくれた友人もいたけれど、
友人の安全を考慮して、入院先は伝えずに、気持ちだけありがたくいただくことにした。

順調に回復し、退院間近になった頃。
院内であれば病棟の外に行っていいという許可が出て、
屋上から見た、青空と山と玄界灘と福岡タワー。

看護師さんからのあたたかな言葉。
入院して、体調が落ち着いた頃
「お休みと思って、ゆっくりしたらいいよ」
退院日が決まった頃
「よかったね~。戻ってこんようにね(結核再燃しないよう気をつけてね)」

退院してからも、しばらくは薬の治療と数ヵ月ごとの検査が続いた。
検査結果〇が続いて、薬の治療が終了した。
ようやく、長い間自粛していたLIVEに行けるようになった。
2017年秋のことだった。

現在は、経過観察のため、1年に1回受診して、
胸部レントゲン検査を受け、信頼する主治医の先生のアドバイスを伺う。
検査結果は〇が続いている。

結核を経験したことを、今こそ、自分の日常生活に活かそうと思う。
万が一のことかもしれないけれど、
新型コロナウイルスによる結核の再燃を防ぐため、十分に気をつけている。
けれど、現在の状況は、あまりにも問題が大きすぎて、やはり不安になる。
必要なものが足りない状況も、不安になるけれど、代替品やアイディアを使って工夫しよう。

2月終わり頃。
玄関前のクロちゃんハウスを、春仕様に、新しく作り直した。
さくらねこのクロちゃんにぴったりな、淡いピンク色のふかふかブランケットを敷いている。
新しいおうちで、毎日、すやすや眠るクロちゃん。

いつものふれあいタイムに会えること。
夜、安眠しているかわいい姿に会えること。
いつもの幸せをありがとう クロちゃん。


42. 自然治癒力 (2020.3.19)

前回の日記(2020.3.5)の頃から、落ち着かない日々が続いている。
新しい春仕様のクロちゃんハウスで、毎日眠っていたクロちゃん。
いつしか、夜、クロちゃんハウスで眠る姿を見なくなった。
他に居心地のいい眠る場所をみつけたのかな。
クロちゃんがいない夜。
他のネコちゃんがやって来て、クロちゃんハウスでひと休みする様子を何度か見かけた。
他のネコちゃんに、おうちを取られてしまったのかな。
ちょっとさみしいなあ。

いつものふれあいタイムに会える日が、2日に1回くらいになった。
他にも優しくしてくれる人に会えたのかな。
それはそれで、クロちゃんにとっては幸せなことかな。

3/13。
前日の3/12に姿を見せなかったクロちゃんが、
ひょこっと現れた。
よかった~。今日は会えたね~。
よく見ると、小さな身体にいっぱい黄色の花びらをつけている。
それから・・・右頬に傷がある!
ひっかき傷なのか、かすり傷なのか分からなかったけれど、
縦に長い傷口がある。血は出ていない。
右ひげの辺りにも軽傷がある。
他のネコちゃんとケンカしたのかな。どこかから落下したのかな。

ノンアルコールのウェットティシュで傷口を拭いて、応急処置をすることにした。
傷口に沁みるのか、時々「いや~」と顔をそむけるけど、
わりとおとなしくしている。
キズは、だいぶきれいになったね。

クロちゃんハウスには、他のネコちゃんのにおいがするのか、
おうちをのぞきこんでクンクンするけれど、
すぐには入ろうとしないクロちゃん。
こうなったら最後の手段。マタタビの力を借りよう。
マタタビはクロちゃんには効果大なので、ここぞという時だけ使うようにしている。
『ネコちゃんの爪とぎ・お徳用6個パック』に付属していた
『マタタビパウダー』を1袋持ってくる。
クロちゃんハウスのふかふかブランケットに『マタタビパウダー』をふりふり。
ようやくおうちに入るクロちゃん。
大好きなマタタビの香りに包まれてうれしそう。
その夜。クロちゃんは、久しぶりにクロちゃんハウスでぐっすり眠った。

ネコを愛する友人に、クロちゃんのケガのことを電話で話すと、
最初は驚いていたけれど「その程度の傷やったら自然に治るよ」というアドバイス。
ネコちゃんの情報サイトで獣医師監修の記事を読むと、
「自然治癒する場合があるので、様子をみてみましょう」という内容。
ちょっとだけホッとした。

3/14。朝。
クロちゃんハウスで眠っているクロちゃんの様子を見に行く。
今日も傷口の手当。
ウェットティッシュで傷口をふいて、経過を診る。
手当の間、クロちゃんはおとなしくしている。
ご飯はちゃんと食べるから、大丈夫かな。

すると、クロちゃんハウスからポ~ンと飛び出して、
日当たりのいい場所へと向かうクロちゃん。
いい天気であったかいね。
ひなたぼっこしながら、今年初のゴロ~ンして甘えるクロちゃん。
「ありがと~」と言ってるみたい。
「クロちゃん。ここはクロちゃんのおうちやけんね。ここにおり~ね。
キズが治るまでは、おうちでゆっくり休んどくとよ~」

クロちゃんはその後、どこかへおでかけしてしまった。。

その日以来、
ほぼ毎日、いつものふれあいタイムにクロちゃんと会えるようになった。
キズは、ずいぶん良くなっている。
今は、ウェットティッシュで手当てをしようとすると
「もう治っと~もん!」と逃げまわるクロちゃん。
ひとまずは、よかった~。

右目が、以前よりも涙目になっているのは気になるけど、
ネコを愛する友人からは「クロちゃんが痛がってないんやったら大丈夫よ」というアドバイス。
ネコちゃんの情報サイトにも、獣医師監修の同様の記事があった。
もう少し様子を見てみよう。

ネコちゃんの自然治癒力に、生命力の強さを感じた。


43. 3月22日は『さくらねこの日』 (2020.3.21)

3月22日は「さくらニャンニャン」=『さくらねこの日』。
2019年。日本記念日協会に、正式に登録されました。
(公益財団法人「どうぶつ基金」HPより)

クロちゃんに出会えた2019年・初春。
初めて間近でクロちゃんにふれあえた時、
左耳がさくら耳のさくらねこちゃんだと気づいた。
そして、心がホッとあたたかくなった。

クロちゃんと出会った最初の頃は、こちらを少し警戒していたけれど、
私に懐いてくれて仲良くなるまで、それほど時間はかからなかった。

それは、きっと、
私に出会う前に、クロちゃんの命を守るTNR活動をされた優しい人に会えたから。
クロちゃんの手術をされた動物クリニックのスタッフの方々に会えたから。
その優しい人々の愛情が、クロちゃんに、ちゃ~んと伝わっていたのだろうと思う。

まだ見知らぬ優しい方々へ。
ありがとうございます。
クロちゃんの命を守ってくれた方々からのバトンを
私は、今、受け継いでいます。

クロちゃん、明日はクロちゃんの記念日やね。
ふたりで、お祝いしようね☆


44. 『命』について (2020.3.27)

図らずも『クロちゃんとのふれあい日記♫ 9』は、
『命』が根底にあるテーマになっている。

結核という感染症から回復できた時、
私は、もう一度「生きるチャンス」を与えられた。

年1回、経過観察のレントゲン検査受診の度に、
「結核再燃の可能性はゼロだとはいえない」というアドバイスを、
主治医の先生から伺う。
そのアドバイスを、今、しっかりと受け止めている。

これまでは、退院して、薬の治療が終了して、
結核という感染症を経験したことを、忘れてしまいたいこともあった。
結核治療の入院について打ち明けたごく親しい友人や、
報告義務のあった関係者の方以外には、
結核の経験を話す必要すらないと思っていた。
けれど、こちらの日記で、結核の経験について書かずにはいられなくなりました。

結核という感染症のイメージから、以前のように関われなくなった人もいた。
入院中の検査で陰性が出て、退院基準を満たしたから退院できたにもかかわらず、
結核のこわさを知っているであろう年配の方から、
変なものでも見るような視線を向けられ、距離を置かれたこともあった。
ショックだったけれど、今では、ある程度仕方のないことだっただろうと思う。
それでも、同世代をはじめとする理解ある方々に恵まれて、
社会復帰できたことは幸いだった。
久しぶりに会えた時、ハグして喜んでくれた人もいた。嬉しかった。
周囲の接触者に感染者がひとりも出なかったことは、ほんとうに幸いだった。

2016年初秋。
総合病院の先生が、レントゲン検査で結核を見つけてくださったことに、
今あらためて感謝しています。

総合病院の先生からも、保健センターの方からも、
指定入院先で出会えた先生からも、看護師さんからも、
医療関係の様々な立場から、専門家としての助言をいただきました。

感染症のこわさ
自分が感染し、感染源となってしまった時に、
周囲への感染を防ぐために取るべき行動
症状が落ち着いても検査が陰性になるまで入院が続くことの重要性

現在、連日報道される新型コロナウイルス関連のニュースで、
医療関係の専門家の方が解説されていることと同様の助言だった。

結核は、ひと昔前までは「不治の病」といわれていた。
時代が違えば、私は命を失っていた。

結核の経験について、こちらの日記で、
『命』をテーマに、これから時々綴ってみようと思います。

今日の最後に。。
クロちゃんのキズは、日に日に、ずいぶん良くなっている。
キズが目立たなくなり、かわいらしい顔に戻ってひと安心。
大事に至らなくて、ほんとによかった。

近所に、とても評判のいい、いぬねこクリニックがあるので心強い。
何かあったら、すぐにクロちゃんをクリニックに連れていけるように、
ネコちゃん用キャリーバッグを購入したので準備万端です☆


45. 幸せはすぐ近くに (2020.4.6)

桜が満開を迎えた。
今年は晴天の日が続いているから、桜の見頃が続きそう。

桜の季節は、大好きな季節。
福岡市の桜名所として長年愛されている舞鶴公園~大濠公園に、
桜見散歩に行くことを、毎年楽しみにしている。

桜が満開を迎えた3月末から4月初旬にかけ、
福岡県・福岡市では、急激に社会状況が変化した。

4月6日現在。
4月19日まで土日の不要不急の外出自粛
首都圏・関西圏などへの往来、海外への渡航自粛
などの自粛要請が出ている。
屋外での散歩の自粛要請はされていない。
(福岡県公式サイトより)

けれど、舞鶴公園・大濠公園は、徒歩で散歩に行くには遠い場所にあるので、
今年は見送ることにした。
3月末。
ふと思い立って、録画して初めて観た『ロクいち!』(NHK福岡)で、
偶然にも舞鶴公園の満開の桜が映って、嬉しかったなあ。
上空からの撮影もあり、とってもきれいな桜風景に、
TV越しに会えたので、今年は満足。

ニュースの合間に、ホッと心が和む話題もあり『ロクいち!』が好きになった。
TVニュースは、このような社会状況になるまでは、見る習慣がなかった。
『ロクいち!』は確かな情報を得ながら、ホッとすることもできる。
キャスターの皆さんの親しみやすいお人柄が伝わってきて安心する。
月~金は『ロクいち!』の録画を見ることが、新たな習慣になった。

なんと、3/30O.Aより、『ロクいち!』テーマソングは、
MISIAの新曲『好いとっと』♪ 作詞:MISIA 作曲:Greeeen 編曲:亀田誠治 
MISIAは、リスペクトするシンガーであり、アーティスト。
そして、同時期ではないけれど同じ大学に通っていた同窓生なので、
デビュー当時から、勝手に親近感を感じている。

『好いとっと』は、MISIAが歌う九州の方言が、とっても新鮮!
サビの「よかよか♪」が、頭の中でリフレインしている。
愛にあふれていて楽しくて元気になれる『好いとっと』♪。
『ロクいち!』ラストで、その日のほっこり映像とともに
『好いとっと』が歌詞テロップつきで聴けるという、うれしい演出。
すてきなパワーソングに出会えた幸せ。

話題を桜に戻して・・・
今年は、近所の桜散策をすることにした。
この町には、いくつかの『My桜名所』がある。
ご近所の玄関先や庭先に咲いている、きれいな桜もある。

角を曲がって、坂道を上ってみよう。
この道を行くのは、小学生以来かな。
すると、思いがけず、いくつかの桜との新たな出会いがあった。
こんなに近くに桜が咲いていることに、驚く。

中でも、うれしかったのは、坂道沿いに咲く3本の桜。
ちょうど満開~桜吹雪の頃。
さわやかな風に吹かれて散る花びらに見とれる。
3本の桜の下にいると、桜に包まれているようで、とっても幸せ。

ふと、道端にいたシロクロネコちゃんと目が合った。
地域ネコちゃんかな。
自宅によく来ていたボスネコ・シロクロちゃんではないみたい。
シャイなのか、すぐに隠れてしまったけれど、会えてうれしかったよ。

この町の桜に、また会いに行こう。
今年は、葉桜まで楽しめるね。
来年は、咲き始めから会いに行こう。
そして、来年は、舞鶴公園と大濠公園の桜にも、きっと会いに行こう。

クロちゃんと会えるのは、1日1回のふれあいタイム。
出会えて仲良くなった頃のペースに戻ったね。
眠る場所は、他に見つけたのかな。
玄関先のクロちゃんハウスでは、眠っていない様子。
ご飯の回数が1日1回に戻ったので、1回で栄養とカロリーがちゃんと摂れるように、
カリカリご飯にちゅ~るをトッピングしたネコちゃんカレーが、最近の定番。
日替わりで、カリカリとちゅ~るの組み合わせを変えている。
クロちゃんは、カツオ味が大好き。
クロちゃんの好みに合わせて、カツオご飯の日を多めにしている。
今日もクロちゃんに会えてうれしいよ。
クロちゃん、この町のきれいな桜に会えたよ。シロクロちゃんにも会えたよ。

幸せはすぐ近くにある。
ありがとう。

『Stay Home, Keep Smiling (^_-)☆』

投稿日:2020年4月6日
投稿者:祥子
グレイトボタングレイト!(2)

2020年3月12日
佐藤和哉 with 妹尾武 『唄の音2』コンサート

♫LIVE REPORT
佐藤和哉 with 妹尾武 『唄の音2』発売コンサート 
 at レソラホール(RESOLA TENJIN 5F) 2020.2.23


13:30。
ほぼ定刻。『唄の音2』コンサート開演。
印象深いシーンを中心に、LIVE REPORTを綴ります。

# 序章
拍手に迎えられ、篠笛とともにステージに登場された佐藤和哉さん。
春の訪れを感じるような若草色の袴姿に、さわやかな青緑色の羽織。
帯から下方にゆらりとゆれる布がアクセントになっている、粋な和装姿。
佐藤和哉さんの和装姿を観ていると、
ふだんの洋服主体のファッションに、和のエッセンスを採り入れたくなります。

客席前方には、着物姿の女性の方もいらっしゃいます。
『唄の音2』コンサートにふさわしい艶やかな雰囲気です。

コンサートは、佐藤和哉さんの独奏から始まります。
ステージ中央で、篠笛を奉納するように一礼された佐藤和哉さん。

無伴奏の篠笛独奏。
静寂の中、篠笛の唄が、凛と響きます。

ドラマティックなトラックを背景に演奏された「蒼風」。
篠笛に命が宿ったかのよう。
凄みを感じました。
力強く響く足音は、和太鼓のリズムに聴こえます。

静と動。
篠笛の様々な表情に魅了された『唄の音2』コンサート。
佐藤和哉さん独奏による序章は、
この後に続く、音物語の方向性を示していたように思います。

記憶に新しい『IMS CHIRISTMAS 2019 SPECIAL LIVE 佐藤和哉&妹尾武 LIVE』 
(2019.12.15 at IMS B2F・IMSプラザ)から約2ヵ月。
佐藤和哉さん・妹尾武さん ともに、私にとっては今回が2回目のLIVEです。
ステージ全体がよく観えるホールコンサートならではの、新たな発見がありました。
佐藤和哉さんは、腰元のさやに長さが異なる篠笛を数本
(私の席からは4本に見えました)納められていて、
楽曲により篠笛を吹き分けられます。
楽曲の途中で、篠笛を持ち替えられることもありました。
篠笛を持ち替えられるタイミングで、楽曲の色あいが変化するように聴こえました。

佐藤和哉さんのソロに続き、拍手に迎えられて、妹尾武さんがステージに登場。
お洒落なハットにスーツ姿の“Piano man”妹尾武さん。
IMS CHIRISTMAS 2019 SPECIAL LIVEを想い起こします。 
今回は、春を連想する軽やかなスーツ姿。

「舞姫」から、佐藤和哉さんと妹尾武さんのふたり旅が始まります。
そして、いよいよコンサートタイトルである『唄の音2』の音物語へと続きます。


# 『唄の音2』の音物語 ~第1部~

♪「竹田の子守唄」
詳しい楽曲解説をされる佐藤和哉さん。
「竹田」という地名は、京都の竹田ということを、初めて知りました。
母方のルーツは大分なので、大分は距離的にも心理的にも身近な土地。
今まで、大分の「竹田の子守唄」だと解釈していました。
「竹田の子守唄」は、唄い継がれてきた大元の旋律から始まりました。
「竹田の子守唄」にまつわる長い歴史に、想いを馳せながら聴き入りました。
京都の「竹田の子守唄」だと知識を得た上で聴くと、新たな情景が見えるようです。
懐かしく新しい出会い。


♪「夏の絵巻物」(作曲:妹尾武)
妹尾武さんが奏でる軽やかなピアノのリズムに乗って、
ステージの右へ左へと、楽し気にステップを踏む佐藤和哉さん。
西へ東へ 南へ北へ。
行先は決めずに思いつくままに旅するような、おふたりの音色。
青空と白い雲と、のどかな散歩道が見えるようです。


♪「さくらさくら」
佐藤和哉作品『唄の音2』を初めて聴いたのは、リリース日・2019.11.27から間もない頃。
『IMS CHIRISTMAS 2019 SPECIAL LIVE 佐藤和哉&妹尾武 LIVE』
開催のニュースを知った頃でした。

桜という花は、なんとも不思議な花だと感じます。
日本人にとっては、いつも心にあるといえるほど身近な花であるはずなのに、
春から遠い季節になると、なぜか輪郭が朧になる感覚があります。
初めて『唄の音2』収録楽曲「さくらさくら」を聴いたとき、季節は冬。
ほのかなピンク色をイメージして、桜咲く春を想いました。

コンサート当日・2020.2.23。
春の訪れを感じるような暖かな小春日和に、五感で感じた「さくらさくら」。
もうすぐ会える桜の花の輪郭を、はっきりとイメージして聴き入りました。

そして、新たな発見。
CD・音楽ストリーミングサービスで『唄の音2』をはじめとする佐藤和哉作品を聴いたときには
気づかなかった「ある音」が聴こえます。
メロディとして聴こえてくる篠笛の音色に寄り添うように聴こえる、ある音色。
その音は「倍音」という表現が近いのだろうかと思いました。
「倍音」という音楽用語は、
外れてはいないけれどぴったりと合う言葉ではないように思いながら、
その音の存在を確かに感じました。
その音は、篠笛の筒を通り抜けるような風の音。
時に、メロディと調和するようなはっきりとした音程も聴こえます。
メロディ(主音)の存在に光をあてながらも、静かに確かに存在する音。

『唄の音2』コンサート帰りに訪れた
『数寄景/NEW VIEW—日本を継ぐ, 現代アートのいまー』。
(at 三菱地所アルティアム IMS・8F 2020.2.1~2020.2.29)
そのアート空間で、その「ある音」を表現するヒントとなる言葉に出会えました。

それは『ゆらぎ』。
「日本では古くから火や水が形を変え、動く様に神の存在を感じてきたといわれます」
(三菱地所アルティアム・Instagram 展覧会案内文より引用)

佐藤和哉さんが奏でる篠笛の主音に寄り添うその「ある音」は、
日本文化の『ゆらぎ』なのだろうと解釈しました。

『数寄景/NEW VIEW—日本を継ぐ, 現代アートのいまー』の会期は、
当初、2020年3月中旬までの予定でした。
けれど、社会状況は2月末から3月初旬にかけて緊張感を増し、
2020.2.29 に会期終了となりました。
3月に、もう一度ゆっくりじっくり鑑賞に行こうと思っていたことは、
かないませんでした。
当日、三菱地所アルティアムには短時間の滞在でしたが、
ヒントとなる言葉『ゆらぎ』に出会えたこと、
日本文化の現代アートに出会えたことに、感謝しています。


# 『唄の音2』の音物語 ~第2部~

♪「北風小僧の寒太郎」
15分程の休憩をはさみ、第2部スタート。
第2部は、予想もしないサプライズから始まります。
「北風小僧の寒太郎」のイントロが響くとともに、客席後方ホール入口から、
笠をかぶった旅姿の佐藤和哉さんが颯爽と登場♪
客席エリアを練り歩き、時にはちょこっと空いた席にひょこっと座りながら奏でられる
「北風小僧の寒太郎」。
ステージ前に到着すると、北風小僧の寒太郎ならぬ「秋風小僧の和太郎」と名乗られ、
大きな拍手が贈られます。

2月下旬。社会状況が不穏になり始めた頃。
マスク姿の方が多くいらっしゃったコンサートホール。
それまでのコンサートとは違う雰囲気を感じていました。
秋風小僧の和太郎さんの登場で、会場の雰囲気がパッと明るくなり、
一抹の不安が和らぎました。

コンサート前に『唄の音2』を聴き、
「北風小僧の寒太郎」はコンサートではどのように演奏されるのか
ひそかに楽しみにしていました。
「北風小僧の寒太郎」は、幼少期、NHK『みんなのうた』で出会い、だいすきになった唄。
『みんなのうた MY BEST 3』にランクインするくらい好きな唄です。
ちなみに・・・他の2曲は、同率1位で
「メトロポリタン美術館/大貫妙子」と「ポケットの中で」(作詞:銀色夏生)。
「ポケットの中で」に描かれた歌詞のフレーズ
「ポケットの中で星が騒ぐので どうしても星が騒ぐので この恋はあきらめようと思った」
小学生になって間もない頃、なぜかこのフレーズに魅かれ、ポケットに手を入れて、
このフレーズのふしぎなひみつにふれてみたいと思っていました。


♪「赤とんぼ」「紅葉」「荒城の月」
続いて、佐藤和哉さん扮する“秋風小僧の和太郎”さんのナビゲートで、
『唄の音2』の音物語の旅へと、再び誘われます。

佐藤和哉さんのご出身地である唐津の方言でお話しされる和太郎さん。
九州の方言は、各地様々な特色があるけれど、
共通する言葉が多く、言い回しは異なっても意味は理解できるので、
唐津方言に親しみを感じます。

「赤とんぼ」「紅葉」「荒城の月」と、懐かしい童謡が奏でられます。
どうやら、和太郎さんは、作品の生みの親である音楽家の方々とも親交がある様子。

和太郎さんの語り口に魅かれて、
作品が生まれた頃の時代にタイムスリップしたような感覚。
その時代に想いを馳せながら、篠笛の唄に聴き入ります。


#「サクラ咲く」 (妹尾武 Piano Solo)
佐藤和哉さん扮する和太郎さんが旅立ち、ステージを後にすると、
入れ替わりに、妹尾武さんがステージに登場。

和太郎さんとすれ違ったのか、時々振り返る仕草を見せる妹尾武さん。

ここからは、妹尾武さんのPiano Solo。
この日のコンサートでは、
「桜」をモチーフにした『桜三部作』ともいえる3楽曲が演奏されました。
第1部に演奏された「さくらさくら」に続いては、妹尾武作曲「サクラ咲ク」。

今ふりかえると、
「サクラ咲ク」には、桜咲く頃には平穏になり、安心して桜に会えることができますように・・・
という祈りがこめられていたように思います。


#「めぐり逢い」 (Original:アンドレ・ギャニオン)
再び、佐藤和哉さんがステージに登場。

続いて、作品未収録の初披露楽曲「めぐり逢い」(Original:アンドレ・ギャニオン)。
「めぐり逢い」にまつわるエピソードと想いを、丁寧に語られる佐藤和哉さん。
とある日のオフステージにて、妹尾武さんが「めぐり逢い」を演奏されていて、
佐藤和哉さんが「めぐり逢い」に出会えた頃の大切な想い出が鮮明に蘇ったという、
すてきなエピソードが語られました。

「皆さんにとっても、それぞれに『めぐり逢い』にまつわる想いがあるのではないでしょうか」
という問いかけに、
私は、アンドレ・ギャニオンの音楽と出会えたCD SHOP STAFF時代を想いました。
「めぐり逢い」は、当時から親しみを感じる楽曲です。
アンドレ・ギャニオンの作品といえば、アルバムジャケットデザインを想い浮かべます。
どの作品も、アート作品として並べて飾りたくなるほど美しいアートワークです。

佐藤和哉さんと妹尾武さんDuo演奏による「めぐり逢い」。
篠笛を『Japanese Bamboo Flute』(佐藤和哉さんOfficial サイト・Instagramより引用)
と呼びたくなる、新鮮な印象。
アンドレ・ギャニオン作品では、優しい雨音が聴こえるようなピアノのメロディ。
『唄の音2』コンサートでは、
なだらかに唄うように奏でられるJapanese Bamboo Fluteのメロディ。
「めぐり逢い」の懐かしくも新たな魅力に出会えました。


# 『唄の音2』の音物語 ~第2部 その2~

♪「故郷」「さちねうた」
『唄の音2』コンサートは、いよいよ終盤を迎えます。
MCでは、度々、コンサートに集われた方々の健康と安全を気遣う言葉を語られた
佐藤和哉さんと妹尾武さん。

その優しく穏やかな音色は、言葉以上に、この先の状況が見えない不安な気持ちに、
そっと寄り添ってくれました。

終盤に演奏された「故郷」「さちねうた」。
日本人の心の唄ともいえる「故郷」。
オリジナル楽曲「さちねうた」のタイトルに込められた想いは「幸寝唄」。

『唄の音2』コンサートの想い出は、
3月以降の社会状況の急変に直面した時、そして現在も、
あたたかな灯のように、いつも心にそっと存在しています。


# 「さくら色のワルツ」
『唄の音2』コンサートのラストは「さくら色のワルツ」。
「さくらさくら」「サクラ咲く」に続く『桜三部作』の最後を飾る「さくら色のワルツ」。

満開の桜の下、ワルツのリズムに、ゆったりと身をまかせてゆれる。
毎年訪れる、その幸せな光景を想い、桜の季節を恋しく想います。

『桜三部作』で、唄われ奏でられた「さくら」は、
『唄の音2』コンサートの象徴であったと思います。


# 結び
2020年、私にとっての初LIVEは『唄の音2』コンサートでした。
『唄の音2』コンサートが無事開催されたこと、コンサートに参加できたことに、
心から感謝しています。

今回、社会状況の急変に直面し、
一度は中断しながらも、じっくりとふりかえってLIVE REPORTを綴りました。

後日談。
『ららら♪クラシック』(Eテレ)
6/26・7/2放送のエピソードは『子どもたちに贈る ららら♪流 音楽の授業』。
作曲家・宮川彬良さんによる解説・演奏(withダイナマイトしゃかりきサ~カス)で、
「故郷」をはじめとする唱歌が題材となり
「唱歌には讃美歌の影響がある」
という、とても興味深い内容でした。

そして、想い起こしたのは、
『IMS CHIRISTMAS 2019 SPECIAL LIVE 佐藤和哉&妹尾武 LIVE』 
での讃美歌メドレー 「きよしこの夜~Amazing Grace」演奏シーン。

唱歌と讃美歌が繋がっていること。
『IMS CHIRISTMAS 2019 SPECIAL LIVE 佐藤和哉&妹尾武 LIVE』 
と『唄の音2』コンサートが、ひとつの音物語に繋がったこと。
唱歌と讃美歌に共通する、慈愛に満ちたエネルギーの謎解きのきっかけとなりました。
佐藤和哉さんと妹尾武さんは、その慈愛のエネルギーを、
コンサート・作品で、体現されていたことに気づきました。

LIVE・コンサートで循環する音楽のエネルギーに、
今を生きている証を実感します。
そして、そのエネルギーは、これからを生きるエネルギーになる。

音楽のエネルギーに感謝をこめて。



(画像はイメージです。RESOLA TENJIN オフィシャルガイドブックより)

2020.7.9 加筆更新しています。

投稿日:2020年3月12日
投稿者:祥子
グレイトボタングレイト!(1)

2020年3月9日
佐藤和哉 with 妹尾武 『唄の音 2』 Introduction

♪LIVE REPORT
佐藤和哉 with 妹尾武 『唄の音 2』発売コンサート 
 at レソラホール(RESOLA TENJIN 5F) 2020.2.23 
 ~Introduction~

# Introduction~REROLA TENJINの魅力~
RESOLA TENJIN 5F・RESOLA HALLに初めて訪れたのは、2018年のクリスマスシーズン。
RESOLA CHRISTMAS CAFE ~MUSIC LOVERS~
FM FUKUOKA 公開録音 Inspired Guitar Duo TALK&LIVE Special 2018.12.19

それまでは、向かいにあるSOLARIA PLAZAからRESOLA TENJINを眺めたり、
RESOLA TENJIN・1Fのお洒落なウィンドウディスプレイを観たりと、
RESOLA TENJINの外観デザインを楽しんでいました。

FM FUKUOKA主催・Inspired Guitar Duo TALK&LIVE がきっかけとなり、
豊かな音響とゆったりとした空間に包まれるレソラホールと、お洒落なRESOLA TENJINが、
とっても好きになりました。

RESOLA TENJIN オフィシャルサイト TOPページでは
『WEATHER SOUND MAKER=天気を音楽に変換する』というコンセプトのもと、
リアルタイムで変化し続ける、福岡・天神の天気が、音と映像に変換されています。
天神の気象情報をチェックするには最適のサイトです。

(RESOLA TENJIN オフィシャルサイトより引用)
レソラが意味する“天気”そして“音階”、それらを融合させて何か表現できないか?
そんな思いから、”日々刻々と変化する天気を音楽に変換する”ということに挑戦したのが「WEATHER SOUND MAKER」です。
このWEBサイトは、レソラ天神が位置する福岡・天神の
リアルタイムな24時間の気象データ(天気、温度、湿度、風向き、風速)を元に、
独自のアルゴリズムによってそれらを音楽、モーションに変換しています。
天気と同じように、365日、日々刻々と違った表情をみせるこのWEBサイトをお楽しみください。
http://resolatenjin.jp/#top
http://resolatenjin.jp/#about


2020.2.23。
コンサート当日は、朝から晴れて気持ちのよい天気。
日中は、春の訪れを感じられるような暖かさがありました。
もちろん、RESOLA TENJIN『WEATHER SOUND MAKER』では、☀が踊っています。
楽しい日になりそうな予感。

『唄の音 2』コンサートは13:00開場 13:30開演。
RESOLA HALLでの昼のLIVEは、今回が初めて。
ホールホワイエには、テラスから明るい日光が射して心地よい空間を創ります。


画像は、RESOLA TENJIN ガイドブックの表紙です。
RESOLA TENJIN 館内に置いてあります(TAKE FREE)。

投稿日:2020年3月9日
投稿者:祥子
グレイトボタングレイト!(1)